治山事業とは

更新日:2021年12月27日

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      治山事業とは
 災害などで失われた森林の働きを回復させたり、より高めることによって国土を保全したり、私たちの生活を守るために、必要な土木工事や森林の整備を行うものです。

 中部事務所管内で行っている治山工事は、災害の予防のためのものや災害などにより荒廃した渓流や山腹を復旧させるものなどがあり、大きく「渓間工(けいかんこう)」、「山腹工(さんぷくこう)」及び「森林整備」に分けることができます。


治山というものをもう少し詳しく説明してみましょう


渓間工

 渓間工(けいかんこう)とは、荒廃した渓流の復旧や荒廃の未然予防のため、渓流の安定を図るための工事で、例えば、コンクリートや石、間伐材などを使って小規模ダムを造り、渓流の勾配を緩やかにして浸食を防いだり、土石流による渓流の荒廃を防止して、下流への土砂流出を抑止しています。また、護岸や流路などを造り、浸食を防止します。
 

治山ダム(谷止工)

                         施工前                                                施工後
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令和2年度__四條畷市下田原

 
 治山ダム(谷止工)が茶色っぽく見えるのは、コンクリートの表面を木材で覆っているからです。その木材は、森林を健全に育成するために過密になった木を伐採した間伐材を有効活用したもので、今までのコンクリートがむき出しになったものと比べて、景観を損なわないという利点や木材利用の促進に資するという利点などがあります。これからも、治山工事への間伐材の活用を進めていきます。



                                   山腹工

 山腹工(さんぷくこう)とは、荒廃した斜面の復旧などを目的として、コンクリートや石、間伐材などにより擁壁(ようへき)を造って斜面の下部を安定させたり、柵や土のうを積み上げて斜面の勾配を緩やかにするとともに、早期の緑化を目的として苗木を植栽したり、斜面に植生ネットを張り付けたり、種子などを吹き付けたり、また、斜面の侵食や崩落を防止するために法枠(のりわく、コンクリートの枠)を張り付けるのが山腹工です。

            施工前                          施工後
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平成30年度__なるかわ園地(らくらく登山道)



                                  森林整備

 森林整備とは、水源のかん養や土砂の流出防止などの森林の持つ公益的機能が低下した森林の機能回復及び災害予防を目的に、手入れされていない森林の木の本数を適正な本数に調整したり、必要な場合には枝打ちや植栽などを行って健全な森林を育成するものです。

施工前                       施工後

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令和2年度__東大阪市上石切



豆知識

中部地域の自然条件と森林

(1)概況
中部地域は、府の中央部に位置し、南北に走る生駒山系の尾根筋で奈良県、京都府と接し、北は淀川から南は大和川周辺部に囲まれた11市がその区域です。
 生駒山系は、大部分が標高500m以下の低い山地で、大阪側は急な崖になっています。土壌は、大部分が乾燥しており、年間降水量も約1,200mmと少なく、森林の生育には良い環境とはいえません。 

(2)森林の状況
管内の森林面積は4,629haで、大部分がアカマツと広葉樹とが混った二次林です。スギ・ヒノキは沢筋に植栽されている程度で、人工林の割合は33%と府の平均50%よりかなり低くなっています。
生駒山系では、戦前まで都市近郊の地の利を生かした薪炭林の経営が広く行われていましたが、その後の薪炭材需要の激減、松くい虫による激害などのため、林業生産活動は停滞し、放置されたままの森林が多くなっています。


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このページの作成所属
環境農林水産部 中部農と緑の総合事務所 森林課

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