大阪ぶどうの作型

更新日:2017年7月12日

ぶどうの作型

 大阪では、ビニールハウスを使って、様々な作型(※)でぶどうを作っています。
 忙しい時期をずらすことで、少ない人数で多くの面積を作れるように工夫しています。
 ぶどうの作型は大きく分けて、加温栽培、無加温栽培、露地栽培の3つですが、さらに細かく8つくらいの作型に分類しています。

作型

収穫期      

(デラウエアの場合)     

特徴
露地栽培7月下旬から8月上旬  ビニールハウスを使わない作型です。
 比較的雨に強い、デラウエア、マスカット・ベリーA、甲州などが栽培されます。
 巨峰やピオーネ、マスカット・オブ・アレキサンドリアなどは、雨に弱い品種は露地栽培にむきません。
 品種によって収穫時期は異なります。
 デラウエアの場合は7月末から8月中旬、マスカット・ベリーAは9月頃、甲州は10月頃になります。
雨よけ栽培7月下旬から8月上旬 屋根だけビニルがかかっているハウスです。
 ぶどうにビニルで雨よけ栽培にして、病気などを減らします。
無加温栽培1重被覆無加温栽培7月上旬から7月中旬 屋根だけでなく、横の部分もビニルで、完全に覆われています。
 ビニルが1重なので、あまり保温力はありません。夜かなり寒くなります。
 ハウスを張るのは、2月頃になります。
 毎日、朝になったら開けて、夕方に閉めるので大変です。
2重被覆無加温栽培6月中旬から7月上旬 屋根も横も2重のビニルで覆われています。
 保温性が高く、加温機がなくても太陽の熱でかなり暖かくなります。
 ハウスを張るのは1月頃です。
加温栽培後期加温栽培6月上旬から6月下旬 1から2月にハウスを張り、2月頃の一番寒い時期から加温を開始します。
標準加温栽培5月下旬から6月中旬 1月中旬頃から加温を開始します。「普通加温栽培」ともいいます。
 ぶどうは一定の期間低温に当たらないと、芽が出にくい性質があります。(自発休眠といいます)
 大阪では、1月中旬頃デラウエアの自発休眠が終わっているので、比較的安定して栽培できます。
 巨峰などでは、もう少し余分に休眠時間が必要です。
 加温栽培に向かない品種も多くあります。
早期加温栽培5月上旬から5月下旬 標準加温より早く、1月上旬頃から加温します。
 ぶどうの自発休眠が終わってないので、高度な栽培技術が必要になります。
 毎年早期加温をすると、ぶどうの樹が傷むので、標準加温や後期加温と交代することもあります。
 この時期には、デラウエア以外の品種はほとんど出荷されません。
超早期加温栽培4月下旬から5月中旬

 早期加温の中でも特に早く、12月初めにハウスを張って、下旬には加温を開始します。
 技術的に非常に難しい作型です。
 ぶどうの価格は高く、売上は一番多くなりますが、加温費用も多く必要になります。 最近は費用が多くかかることもあり、面積が減っています。

用語メモ

作型(さくがた)とは、ある作物について設定された出荷期を実現するための、は種期、植え付け期、適用される栽培技術などを含めた、栽培開始より収穫までの時間的要素を持った一作をさす。(養賢堂発行「農学大事典」から引用)

このページの作成所属
環境農林水産部 中部農と緑の総合事務所 農の普及課

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