平成22年度文化振興会議議事要旨

更新日:2011年6月10日

平成22年度大阪府文化振興会議 議事要旨


1 と き   平成23年2月10日(木)午後4時〜5時30分

2 ところ   第3委員会室(大阪府庁本館2階)

3 議 題

(1)大阪文化振興新戦略の展開状況について

【資料説明(事務局)】

【意見交換】
<委員> 
○ 厚生年金会館、フェスティバルホールが今クローズしているが、東京や名古屋のように、官の大阪府や大阪市が新しい劇場を作る計画はないか。
<事務局> 
○ 必要だという思いはあり、民間の動きをどうサポートするのかということを「新戦略」に盛り込んだところ。例えば、今、IR(統合型リゾート)の大阪への誘致を進めているが、民間投資の中で、ホール、劇場等が実現できないかを検討している。
 
<委員> 
○ ワッハ上方のリニューアルはどういう状況か。
<事務局> 
○ ワッハホールを22年度に返し、展示室のリニューアルについては、現在、吉本さんと話を進めているところだが、今のところリニューアルは大規模なものではなく、マイナーチェンジとなる方向。レッスンルームと上方亭は今までどおり貸し出す予定。
 ○ 府の23年度予算は家賃だけで、管理委託料はゼロの方向性で決まっている。予算の減額(H22⇒H23)はそのため。
 ○ 当面は、今の施設を前提に必要な補修や、ソフト面で吉本さんの力を生かしたアピール等を行うもので、設備的には、基本的には今後の2年は変わりない。それ以降の、例えばより抜本的なスタイルの変更等は、改めて議論をするということになっている。
<委員> 
○ もしも目標入場者数が達成されなければ、クローズということがあるのか。
<事務局> 
○ そういう約束でスタートしているので、当然その選択肢はある。

<委員> 
○ 以前は音楽の予算が非常に多かったが、今はアートが多い。予算のバランスがどうなのかなという印象。
<事務局>
○ 22年度予算約6億2千万円(緊急雇用基金除く。)から23年度は3億円強の減額。これはほとんどがワッハとセンチュリーの減額によるもの。
○ 文化振興新戦略に基づき、アートというかおおさかカンヴァス推進事業(以下、「カンヴァス事業」)に代表される「場の提供」の観点を強めたものになっている。

<委員> 
○ カンヴァス事業の予算が23年度にかなり増えているが、増額したお金を何に使うのか知りたい。
○ カンヴァス事業では、アーティストに、日当も宿泊費も交通費も一切出ない。やりたいと思うアーティストに支援するということでいいし、もうけさせる必要はないと思うが、ギャラではなく経費ぐらいは出せないものか、出せばもっといいアーティストが集まる。アーティストのクオリティーが低いと、下手をすると作品が街のガラクタになってしまう。アーティストを育てるという観点も大事だが、クオリティーの高いアーティストが集まることが大切。
<事務局> 
 ○ カンヴァス事業の文化課予算は、22年度約500万円、23年度で3,871万7千円。別財源の緊急雇用創出基金を加えると、22年度約9,500万円、23年度で約1億9千万円となり、これがカンヴァス事業としての総予算になる。
○ 23年度予算のうち約3千万円は22年度の作品を展示する経費であり、作品数が倍増(22年度20作品⇒23年度40作品)したことに応じて予算が倍になったように見えるが、1作品あたりの経費は節減している。
 ○ 人件費への充当については議論もあったが、事業趣旨が場の提供であり、人件費がなじむのかということ等から、現在は制作支援会社を通じた現物的な支援という形となっている。
○ 公共空間を使おうとする場合、作品の管理ではなく、制作、展示、撤去までの安全性の確保が、その場所を使えるかどうかのポイントとなり、事業趣旨とまったく違う警備費に結局一番お金がかかっている。

<委員> 
○ 例えばカンヴァスの作品を飾る場所にしても、事業を進める上での役割分担等、府と市の問題が常に出てくると思う。府市間の調整を行うセクションが出来たと思うが、文化については、どう進めていこうか、こうやって行こうというような提案や投げかけはあるのか。
 <事務局>
○ 政令市連携課では全体的な府・市の連携について協議を行っている。
○ 文化のレベルでは、例えばカンヴァスのいくつかは大阪市との協力体制の下に中之島公園で実施するなど、一定の連携。ただ、まだまだ連携が足りていないと考えている。


(2)検証・評価手法について

【資料説明(事務局)】

【意見交換】
<委員>
○ PDCAは、そもそもは、理系のシステム発想からのもので、行政が予算管理(削減)に使うのにはいいが、本来的には文化にはふさわしくないシステムだと考える。
指標の数字、アンケート調査結果、世論調査結果に振り回され、国の文化審議会の答申にもあるように、定性的な質の問題の把握ができない。
○ 経営学者の立場でざっくりというと、マネジメント、ガバナンス、プロデュースという3つの言葉がある。マネジメントとは、「走った後に考える。走った後にどんなチェックをして次にどうしよう。」ガバナンスとは、「走る前に、どういう風に決めようかという決め方を決める」というもの。そして、文化というのはプロデュースの問題で、プロデュースというのは「走りながら考えなければならないもの。走りながら考えて、今起こっているところで新しい発想を出していく」という、現場で臨機応変に対応することが必要なもの。
○ 百歩譲って、使った予算の効果測定を行い、行政が予算削減にPDCAを活用することは結構と思うが、サイクルは一年ではなく、一週間毎、一日毎で結果が出ているのか出ていないのか、もっともっと早く、回していかなければならない。売り上げを伴うものは、今週、今日の売り上げはどうなのか、毎日管理し修正していっている。
○ 文化行政においても、一年サイクルの予算管理ではなく、現場で目利きの出来る人がクオリティーについてチェックし改善策を考える、そういう手法を考えなければいけないと思う。

<委員>
○ 新しい事業を始めると、現場では、もういらないという部分と、もう少し続け、発展させていくべきだという部分が出て来る。クオリティーの部分を評価せず、数だけの話になると、いいものがうまく継続していかないのではと思う。
<委員> 
○ 1千万円の事業のうち、効果が出ているのが100万円の部分だけということもある。1年終わったあとで1千万円全部をやめるのか継続するのかではなく、もっと早くチェックすれば、効果のある100万円の部分を、残りの900万円の代わりに、膨らませていくこともできる。そういう風に、お金の使い方と現場での走りながらのクオリティーチェックを連動させていけばもっと生きたお金の使い方が出来る。
<委員>
○ 我々が、手分けをして現場に行き、現場を見て評価をするようにすべきという理解でいいですね。
<委員> 
○ 定量化が出来るものは簡単だが、出来ないものをどうするか。海外の方も見に来るのでそういう視点の評価も考えられる。
○ 文化振興会議の委員がこの事業は何のためにどういう目的でやっているのかというプレゼンテーションを受けた上で評価することも考えられる。

<委員> 
○ 文化は走りながら考えるという話があったが、例えば何も用途を決めない予算があって、動きを見ながら何をやるのか決めていく、というのはやはり難しいか・・・事業を進める上でこんな経費が必要となったが、予算がこうなっているから出来ないということがある。
<事務局>
○ 今の予算はこの経費がこういう理由でこれだけ必要だからという議論で作られるもの。議論としてはあるのかも知れないが、制度的には難しい。

<委員>
○ 個別事業の評価の積み上げを施策の評価とするのか。例えばカンヴァス事業なら21作品をそれぞれ個別に評価するのか、それともカンヴァス事業全体を何らかの基準で評価するのか。
○ 我々(文化振興会議委員)が全部を見るのか、それとも、個々の作品はカンヴァス事業を推進する委員会の委員にお願いするのか。

<委員> 
○ 評価するのは、基本的に、最終的に府民の方だと思うが、府民の人たちの意見をどうやって反映するのか。いろいろアンケートをとっているが、アンケートというのは信用ができない面がある。知事が今やっているツイッターは非常にオープンでいろんな人がいろんな意見を発信できる。ソーシャルメディア、ソーシャルネットワークというものを活用することを考えてはどうか。
<委員>
○ ツイッターで集まった膨大な意見をどのように具体的に評価するのか。
<委員> 
○ いい評価、悪い評価いろいろ来ると思うが、その中で見えてくるものがあると思う。私個人としては、業者等に委託する調査等は信用できないところがあって、ソーシャルメディアの活用を実験的に実施することもいいのではないか、活用を検討すべきという考え。ツイッターの意見は流れていくもので、整理や編集する必要はないと思う。

<委員> 
○ 男女共同参画施策の評価のように、事業を実施する課が1次評価、それを集約する課が2次評価、既にある審議会で3次評価というのがリーズナブルと思う。資料では、1次評価者が文化課となっているが、もっと現場に近いほうがいいのでは。
<事務局>
○ ご指摘のとおり、一次評価は現場に近い事業を所管するセクションが実施すべき。評価対象を文化課所管事業に限るのか、それとも新戦略に記載する全庁各課のすべての事業とするのかを検討しているところ。資料の記載はあくまで検討例。

<事務局>
○ 次回は本日の審議を事務局で整理し、新たな評価サイクルを事務局案としてとりまとめ、ご審議をお願いしたい。


                                                                                                                                                                                                                          以 上

  ※参考 
         資料1 「平成22年度文化課施策について」 [PDFファイル/134KB]
         資料2 「新戦略に係る施策について [PDFファイル/158KB]
     資料3  「文化行政にふさわしいPDCAサイクルの構築について」 [PDFファイル/126KB]
          「文化行政にふさわしい検証・評価に向けた論点整理」 [PDFファイル/324KB]
                       「過去の議論」 [PDFファイル/150KB]
       

このページの作成所属
府民文化部 文化・スポーツ室文化課 文化創造グループ

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