「子どものこころのケア」 突然のできごとで、ショックや不安を感じている子どもの周囲にいる方々へ。 大阪府こころの健康総合センター 「突然の大きなできごとを体験すると…」 災害や事故・事件など、個人で対処できないような、突然での衝撃的なできごとを体験したり、目撃したりすると、こころとからだにいろいろな反応や、症状があらわれることがあります。 特に、子どもの場合は、言葉で訴えることや自分自身の状態に気づくことが難しく、からだの症状や、日頃は見られない行動としてあらわれることがあります。 これらの反応は、ショックを受けたときに、どの子どもにも起こりうる反応です。 大部分は時間の経過とともに徐々におさまっていきます。 また、反応の仕方や回復の仕方は、子どもによって異なります。 しかし、そのできごとが子どもにとって、あまりにもつらかったり、適切な対応を受けていない場合には、反応が長引いたり、症状をこじらせてしまうことがあります。 「子どものこころやからだに生じる反応や変化」 「こころの反応」 イライラする、機嫌が悪くなる、急に素直になる、不自然にはしゃぐ、物音や呼びかけなどにビクつく、見知らぬ場所や暗い所、狭い所を怖がる、一人になりたがらない、ぼーっとする、表情が乏しくなる、嫌なできごとや悪い結果に対して、自分のせいだと感じる、突然興奮したり、パニック状態になったりするなど。 「からだの反応」 寝つきが悪くなる、夜中に何度も目を覚ます、何度もトイレに行く、おねしょをする、夜泣きをする、怖い夢をみる、食欲がなくなる、食べ過ぎる、ぜんそくやアトピーなどのアレルギー症状が強まる、発熱する、風邪を引きやすくなる、頭痛や腹痛、息苦しさを訴える、吐き気をもよおす、下痢や便秘になるなど。 「行動や生活の変化」 反抗的になる、乱暴になる、指しゃぶりをする、ぐずる、甘えが強くなる、わがままを言う、身近な大人がいないと泣く、そわそわして落ち着きがなくなる、家族と一緒に寝たがる、暗くして寝ることを嫌がる、好きな遊びや勉強に集中できなくなる、集団に適応しにくくなる、地震ごっこや津波遊びなどをするなど。 ここに挙げている反応や変化は、一部です。 また、子どもの年齢や発達の段階、特性によっても、反応のあらわれ方や経過はさまざまです。 「まわりの大人ができること」 大切なことは、子どもが安心感を取り戻し、他の人とのつながりが感じられるようになることです。 ・できるだけ安全な生活を取り戻し、子どもが安心できるようにしましょう。 ・無理のない範囲で、日常生活を維持し、規則正しい生活をサポートしましょう。 ・子どもが話そうとしているときは、しっかり話を聞きましょう。無理に聞き出す必要はありません。 ・子どもの質問には、子どもが理解できる言葉で、事実や正しい情報を伝えましょう。 ・リラックスして過ごせるように、ただそばに寄り添うことも大切です。 ・子どもの活動の場や遊び場をできるだけ確保しましょう。 ・子どものペースに合わせて、からだを動かす機会を持ちましょう。 「大切なこと」 まわりの大人が落ち着いて子どもに接すると、子どもも落ち着きを取り戻していきます。 子どもだけでなく、ご自身へのいたわりや気分転換も大切にしましょう。 また、子どもから衝撃的な話を聞くと、大人の方が耐えられなくなることもあります。 そのような場合は、大人自身が身近な人に話を聞いてもらうことが必要になります。 それでもつらいときには、相談機関などで話を聞いてもらいましょう。 大阪府こころの健康総合センター 〒558-0056  大阪市住吉区万代東3-1-46  TEL 06-6691-2811(代) FAX 06-6691-2814  http://kokoro-osaka.jp/ このリーフレットは、7,000部作成し、1部当たり4円です。 2019年3月発行