大切な人を亡くされたあなたへ 〜自死遺族へのメッセージ〜  そこに仲間がいます ○はじめに  大切な人を自死で失うことは、  とてつもなく大きな痛みを伴います。  わけもなく涙が出たり、  思いっきりわめきたくなったり、  怒りを感じたり、  自分を責めたり、眠れなくなったり、  こころが不安定になったり・・・  すべてが初めての体験ばかりだと思います。  でも、そんな体験をしたことのある仲間が  ここにはいます。  待っています。 ○あなたは ひとりでは ありません ○もくじ  大阪自殺防止センター      ・・・1  自死に向きあう関西僧侶の会   ・・・3  ふきのとうの会         ・・・5  カウンセリングスペース「リヴ」 ・・・9  自死遺族相談 大阪府こころの健康総合センター                  ・・・13  相談先一覧           ・・・15 ○認定NPO法人国際ビフレンダーズ 大阪自殺防止センター  自死で大切な方を亡くされた遺族の方々と大阪自殺防止センター自死遺族の会は  2000年12月から関わらせていただいています。どうにもできないほどのつらく  悲しい思いの中で、同じような体験をした人と語り合い支え合えたらとこの会を続けています。  悲しみから目をそむけず、涙を流し、自分の気持ちを吐き出せる場になればと思っています。  これからも自死遺族の方が安心して参加できる場となるように大阪自殺防止センターとして  この会を大切にしたいと思っています。   ◇土曜日のつどい    日 時 毎月第1土曜日(1月と5月は休会)        14時?16時    場 所 大阪市中央区南船場1-11-9長堀安田ビル会議室    参加費 300円    対 象 大切な方を自死でなくされた方(18歳以上)    問合せ 大阪自殺防止センター事務局        06-6260-2155(平日10時〜17時)   ◇水曜日のつどい    日 時 毎月第3水曜日 17時?19時    場 所 渡辺クリニック3Fデイケアルーム        茨木市春日2丁目1-12 ラウンド春日3F    参加費 300円    対 象 大切な方を自死でなくされた方(18歳以上)    問合せ 大阪自殺防止センター事務局        06-6260-2155(平日10時〜17時) ○自死に向きあう関西僧侶の会 「いのちの集い」  大切な方が亡くなられた際、私たちは葬儀や年忌法要を通じて周囲の方に支えられながら、  故人との新たなつながりを築き上げていきます。    しかし、自死遺族は、極度の混乱状態であったり、死を伏せたいとの思いから葬儀を行わないことも  あります。また、親戚に自死であることを伏せている場合は、年忌法要でも死因が知れるのではないかと  心配で、ゆっくりと故人をしのぶ時間を持てなかったり、法要自体を取りやめる場合も多いです。  そうして、ご遺族は孤独感を深め、絶望感・自責の念などを一人で抱え込むことになってしまいます。  私たちは、自死遺族の方々にゆっくりと安心して故人をしのんでいただける場をもっていただきたい  との思いから、追悼法要と、分かち合いを開催しています。仏様の前に座り、静かに大切な方に思いを致すことで、  亡くなった方とのつながりを感じていただきたいと願っています。  ◇「いのちの集い」   日 時 奇数月第1木曜日        13時30分〜15時30分   場 所 本願寺津村別院       大阪市中央区4−1−3(地下鉄本町)   参加費 無料   問合せ メール info@inochinohi-kansai.com ○ふきのとうの会  わたしは2005年秋、一人息子大地を自死にて失いました。19歳と6か月でした。12歳の秋(中学1年)より  学校へいけなくなり、親・子ともどもに苦しんだ7年間でした。せっかく少しおとなになってきたのに...。  以来生きがいと申しますか、どう生きていったらよいのかわからなくなってしまいました。  亡くなって半年ぐらいから、自死遺族のわかちあいに参加するようになり、遺族の方々とのおつきあいがはじまりました。  “わかちあい”ならやれるかなあと身近な遺族の方に声をかけて、2007年5月より枚方市のラポールひらかたにて月1回の  わかちあい“ふきのとうの会”をはじめました。ふり返りますと、遺族の方々と共に歩んだ9年でした。  歩むしかなかったんです。  しばらくは遺族のみで運営しておりましたが、途中からボランティアの方にも入っていただくようになり、  現状は自死遺族数名とボランティア2名(いずれも聖トマスグリーフケアー研究所の卒業生)の方々で運営しております。  ふきのとうの会は“わかちあい”が基本です。自死遺族同士が想いを語りあいわかちあいながらお互いに支えあい、  元気になる日常を取り戻すのを基本としておりますので、ボランティアの方には補助的にかかわっていただいております。  参加される方も人数も毎回変わりますので、毎回、毎回一期一会の緊張の時間です。できるだけ皆さんがホッとした“ひととき”を  過ごされますようにという思いでやっています。  入ってきてこられた時は、緊張とかなしみでこわばっている方々もたいていの方は表情をほころばせて帰っていかれます。  もう1点お伝えしたいことがあります。自死は“語れない死”タブー視されている“死”だということです。  他人はもちろん家族同士でも亡き人のことにふれない方がほとんどのようなのです。思い出を語れない、悲しみを語れない。  だからよけい私たちは苦しむのです。これは、世間、社会、そして私達自身の自死に対する考え方が変わっていかないと  改善していかない問題だと思います。自死に対するもっと正しい理解、知識を私たちもそして行政も啓蒙してほしいと思います。  私たちの苦しみ強い自責の思いを軽くするために、そして新たな犠牲者を産まないために  ふきのとうの会 竹井京子  ◇ふきのとうの会   日 時 毎月第4土曜日       14時〜16時   場 所 ラポールひらかた       枚方市新町2丁目1-35   参加費 300円   問合せ 072-807-3017(社会福祉協議会)       090-6674-5120(竹井) ○カウンセリングスペース「リヴ」    *親を自死で亡くされた方に   「自分が子どもであることが罪に感じられました。自分は力のない子どもで親を助けることが出来なかったのです。   亡くなった父のことも遺された母のことも。   自分がもし大人だったならもっといろんなことが出来たかもしれない。お父さん病院行こうとか、お父さんお金なくても僕が働くよ、とか。   自分はただただ自分に力がなかったことが嫌です。   本当は親は子どものことを思ったら死なないんじゃないですか?僕は大切じゃなかったんですよ。   僕は親が死ぬことを思い留まれるほどの子どもでなかった。だから僕が殺したのも一緒です。   助けることが出来なかった僕は殺した側です・・・。親にも大切に思われなかった僕は生きていていいんですか?   僕を置いて行った父を大嫌いになりたいのに、嫌いになれなくて辛いです。   本当はお前のために生きてみるって思ってほしかったのに・・・」   「僕は親を懐かしんで恨んでここまで来れました。寂しくて辛くて、父はいなかったことにしようとも思いました。   でも、生きていた事実は消えません。やっぱり生きていたんです。   生きていた事実は死んだ事実を連れてきますがそれも少し受け入れられるようになりました。父は病気だったんですね。   自死に至るかもしれない病気だった。だから、僕のせいではなかったんだと思います。   自分が大人になってあの時の自分と同じくらいの大きさの子ども達が笑いながら通り過ぎるのを見ていると、可愛いなと思います。   あのくらいの時に大人を守れるはずはない、自死を止めることは出来なくて当たり前だと思いました。   自分を許してあげました。よく生きてきたねと褒めてもあげたいです。   屈託なく笑うあの時代を返してよとちょっと父にチクリと言ってやることもあるんですよ」    リヴの語りの会やカウンセリングに来られる複数の方の話から作った物語です。    特定の個人や実際の言葉ではありません。  子ども時代に親の突然の死を見て子どもだった私たちはどう思ったでしょう?  「怖かったね、びっくりしたね。大丈夫だよ」と大人に寄り添ってもらうことはなかなか出来ないですよね。大人も混乱しています。  それをじっと見ていて何も思っていないように振る舞っていたかもしれません。興奮してはしゃいでいたかもしれません。  いつもと同じように過ごしていて「この子はわかっていない」と思われていたかもしれません。  子ども達の心の中ではいろんなことが起こっていました。大人になって置いて来た思いをふと思い出したり、  自分は生きていていいのだろうか?と思ってしまったり・・・。  その時の怖かった思いや寂しかった思いや辛かった思いは蓋をされていたのかもしれないですね。  見ないことで無かったことになっているかもしれません。  でも・・・事実だったんです。  では私たちは自分に言ってあげましょう。  「寂しかったね」「怖かったね」「びっくりしたね」  大人になって自分が蓋をしていたことを開ける時間が来たのだとしたら安心できる場所で安心できる人たちと出てくる物をゆっくり見てみましょう。  きっと同じ思いを持った人たちも「ほー」と一緒にのぞき込んでくれます。  思ったより怖くない作業かもしれません。  同じ体験をした人は一人もいないけれど、一緒に心を動かしてくれる仲間はいます。  ◇親の自死を語る会   親を自死で亡くされた方の語りの会です。   日 時 奇数月第3日曜日       10時〜12時   場 所 カウンセリングスペース「リヴ」    大阪市西区靭本町3-2-7横井第1ビル701   参加費 1,000円 要予約   問合せ 「リヴ」HPの問い合わせフォームより       お問合せください。       リヴのファシリテーターが付きます。 ○大阪府こころの健康総合センター 「自死遺族相談」    大切な人を自死で亡くされた方のために、 来所相談を実施しています。  大切な人を突然失ってしまうと、大きな悲しみと共に  からだやこころ、行動に様々な変化が起きます。  悲しみのあらわれ方は一人ひとり違います。  ご家族でも悲しみのあらわれ方が異なる場合があります。周囲の人と違っても、決しておかしなことではありません。  安心して話せる場所があります。よろしければご相談ください。  ◇「自死遺族相談」   日 時 月曜日〜金曜日 1回50分(要予約)   場 所 大阪府こころの健康総合センター   問合せ・予約       TEL 06-6691-2818(直通)       月曜日〜金曜日(9時〜17時45分)       ※お電話の際には、「自死遺族相談」とお伝えください。   費 用 無料   対 象 大阪府在住の方で、自死された方のご家族・ご友人       など  ※大阪市・堺市にお住まいの方は下記へご相談ください。   ○大阪市こころの健康センター     TEL 06-6922-8520(代)   ○堺市こころの健康センター      TEL 072-245-9192(代) ○相談機関一覧  ◇こころの電話相談     ・こころの健康相談統一ダイヤル    TEL 0570-064-556 (月〜金 9:30〜17:00)    ※お住いの地域によって受付時間が異なることがあります。   ・こころの電話相談(大阪府こころの健康総合センター)    TEL 06-6607-8814 (月〜金 9:30〜17:00)   ・こころの悩み電話相談(大阪市こころの健康センター)    TEL 06-6923-0936 (月〜金 10:00〜15:00)   ・こころの電話相談(堺市こころの健康センター)    TEL 072-243-5500     (月〜金(祝日・年末年始除く)9:00〜12:30 13:30〜17:00)  ◇24時間電話相談   ・関西いのちの電話    TEL 06-6309-1121(24時間)   ・フリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」    TEL 0120-783-556 (毎月10日8:00〜翌日8:00)   ・大阪自殺防止センター     TEL 06-6260-4343    (週末連続57時間 金13:00〜日22:00)  ◇遺児への支援   ・あしなが育英会     TEL 03-3221-0888     高校生・大学生などへの奨学金などの支援   ・あしなが育英会神戸レインボーハウス    TEL 078-453-2418     遺児の心のケア活動  ◇法律相談   ・全国自死遺族法律相談ホットライン    TEL 050-3786-1980 (毎週水 12:00〜15:00)   ・大阪弁護士会 総合法律相談センター    予約電話 TEL 06-6364-1248 (月〜金 9:00〜20:00)   ・司法書士総合相談センター    予約電話 TEL 06-6943-6099 (月〜金 10:00〜16:00)  ◇消費者金融などの借金に関する相談   ・多重債務による自死をなくす会コアセンター・コスモス    TEL 080-6159-4730/4733 (9:00〜20:00)   ・大阪府債務整理サポートプラザ(借金の悩み相談室)    TEL 06-6210-9512     (月〜金 9:00〜18:00 受付は17:30まで) 編集:大阪府こころの健康総合センター    〒558-0056 大阪市住吉区万代東3-1-46      TEL 06-6691-2811戟@      FAX 06-6691-2814      http://www.pref.osaka.jp/kokoronokenko/ 2017年1月発行