「支援者のこころのケア」 災害や事故・事件など、突然のできごとが起きたときに。 大阪府こころの健康総合センター 「支援者のこころの健康」 災害や事故・事件などで、不安やショックを受けている人の支援にあたるとき、支援者も心理的な影響を受けることがあります。 それは、こころの強さとは関係がなく、「プロだから大丈夫」ということでもありません。 自分自身が、そのできごとを体験していなくても、相手のつらい話に耳を傾けることで、まるで自分が体験したように感じたり、罪悪感を抱いたりすることもあります。 (代理受傷) 支援者は少しでも役に立ちたいと思って、つい無理を重ねてしまいがちですが、確実に、こころとからだに疲れがたまっていきます。 支援を続けるためには、支援者自身のこころとからだの健康を保つことが大切です。 「支援業務における基本的な心構え」 ・支援者がすべての業務をこなせるわけではない。 ・支援者がすべての問題を解決できるわけではない。 ・支援者が処理できる業務量には限りがある。 「こんな変化はありませんか?」 「こころの変化」 気持ちが高ぶる、現実感や時間の感覚がなくなる、感情が麻痺する、イライラする、怒りっぽくなる、自分が無力だと感じる、悲しさや孤独感を強く感じる、自分を責める、気持ちが落ち込む、上司や組織に不信感を抱くなど。 「からだの変化」 眠れない、寝つきにくい、寝ても疲れが取れない、怖い夢をみる、頭痛や肩こり、めまいが出る、息苦しく感じる、動悸がする、音や匂いに敏感になる、下痢や便秘になるなど。 「行動の変化」 過度に仕事に没頭する、思考力や集中力が低下する、仕事の能率が落ちる、涙もろくなる、じっとしていられなくなる、危険を顧みず、無茶をする、飲酒量や、タバコの量が増えるなど。 このような変化は、誰にでも起こりうることで、特別な反応ではありません。 「こころとからだの健康を保つために」 「休憩や食事・水分を意識してとりましょう」 ・大変な時だからこそ、意識して休憩をとりましょう。 ・食べたくないときや時間がないときには、少量に分けて食べるようにしましょう。 ・一人の時間をもつことも大事です。 「睡眠時間を確保しましょう」 ・からだが疲れていても、なかなか眠れないことがあります。 ・眠れなくても、からだを横にするなどして、意識して休む姿勢をとりましょう。 ・お酒は睡眠の質を下げたり、気分が落ち込んだりする原因にもなりますので、お酒に頼ることは避けましょう。 「意識してからだを動かしましょう」 ・時々からだを動かすことで、血行がよくなり、からだの緊張もほぐれます。 ・深呼吸やストレッチ、可能なら入浴も効果的です。 「安心できる人に話を聴いてもらいましょう」 ・一人で抱え込まないために、その日経験したことや感じたことをお互いに話す機会を持ちましょう。 ・その際、他人を批判しないようにしましょう。 「職員のこころの健康を守るために」 支援者は、混沌とした状況の中で、外部への対応や膨大な判断を求められ、大きなストレスにさらされています。 自分の仕事に不全感が残ることもあります。 このようなときのストレス反応やセルフケアの重要性について、周知・啓発しましょう。 過重労働にならないよう、業務を交代体制にするなど、管理監督者(責任者)によるマネジメントも重要です。 「トラウマ体験による反応」 個人で対処できないような、突然の衝撃的なできごとを体験したり、それを目撃したりすることで、一般的なストレス反応とは違う反応があらわれることがあります。 ・再体験  トラウマ体験が、自分の意思とは関係なく、何度も思い出される(フラッシュバック)など。 ・回避・麻痺  トラウマ体験と関連した状況や場面を避ける、生き生きとした感情が持てないなど。 ・過覚醒  イライラする、怒りっぽくなる、対人トラブルが増える、眠れないなど。 「専門家への相談について」 懸命に支援に取り組んでいると、自分自身のこころやからだの変化には、気づかないことがあります。 また、自分で調子が悪いと感じていても、周囲に言い出しにくいこともあります。 同僚や知人、家族が先に気づくこともあります。お互いに意識して、声をかけ合うことを心がけましょう。 もしも、反応が長く続いたり、強すぎてつらい場合は、専門の相談機関や医療機関に相談しましょう。 「相談窓口」 大阪市・堺市以外の大阪府内在住の方 大阪府こころの健康総合センター こころの電話相談 06-6607-8814 大阪市在住の方 大阪市こころの健康センター こころの電話悩み相談 06-6923-0936 ※お住いの区保健福祉センターでもご相談できます 堺市在住の方 堺市こころの健康センター 代表電話 072-245-9192 大阪府こころの健康総合センター  〒558-0056  大阪市住吉区万代東3-1-46  TEL 06-6691-2811(代) FAX 06-6691-2814  http://kokoro-osaka.jp/ このリーフレットは、7,000部作成し、1部当たり4円です。 2019年3月発行