泉州普及だより 令和4年10月発行 第106号 生態や柵の特性を理解し、効果的な鳥獣被害対策を! 泉州地域では、イノシシ、アライグマなどの鳥獣による農作物被害があり、効果的な対策技術が求められています。9月9日、イノシシと小動物についての対策講習会を岸和田市で行い、市町及びJAの担当者と地元農業者の計17名が参加しました。鳥獣被害対策アドバイザーの服部義和氏より、まずは座学で生態及び対策について学び、現地で実際の対策(イノシシ金網柵)についての点検と侵入経路確認を行いました。服部アドバイザーは集落で対策をしている生産者のため、実例を踏まえた説明には説得力があり、参加者も具体的なアドバイスに納得していました。 <イノシシ対策(防護柵)の主なポイント> 1、柵の前(侵入方向)は除草し、人も歩き臭いを残す。獣に警戒させ立ち止まらせる。 2、金網柵 侵入方向に溶接面を向けると引っ張りで壊されやすい。 3、電気柵 高さ20cm間隔で2段。地面の高低差で高さが変わるとくぐる。20cm間隔の印をつけた棒で確認し、高さを修正する。 獣の足元=柵から40cmの地面がアスファルト、コンクリート、砂利だと電気が流れない。 アース線を草刈り機で切らないよう、電源から土の立ち上がりはパイプに通す。 線を結ぶと電気が流れにくい。専用フックを使う。 獣が来る時期及び時間帯はずっと通電。流れていない柵を経験させてしまうと突破される。 「女性農業者の交流会」を開催 農の普及課ではこれまで管内の若手女性農業者の経営参画を促す目的で、経営講習会を開催してきました。今回は富田林市の乾農園代表 乾裕佳氏を講師として、女性農業者の交流会を8月25日に開催しました。講義では、積極的に外にでて視野を広げることや、従業員などの仕事の仲間を大切にすること等、氏が経営を続けていくにあたって大切にしていることのお話がありました。 参加者は熱心な様子で耳を傾けており、販路や、家事育児との両立など具体的な質問がたくさんありました。交流会後には「具体的な話が多くて明日への活力につながった。このような機会をもっと増やしてほしい」など、意欲的な声も上がりました。農の普及課では今後も講習会や交流会、現地視察を通して地域の女性農業者の活躍を支援していきます。 肥料価格高騰への支援について 原油需要の増加やロシア・ウクライナ情勢などの影響により、肥料価格が高騰しています。肥料は農業生産に欠かせない資材であり、農業経営に大きな影響を与えるため、大阪府では、価格上昇に応じた支援を行います。 対象者:年間売上50万円以上の農家、認定新規就農者 支援金額:昨年の農産物売上金額等に応じて支援 申請開始時期:令和4年10月末頃の予定 一方、国においても、化学肥料の低減に向けて取り組む農業者の肥料費を支援します。対象となる肥料は令和4年6月から令和5年5月に購入した肥料(今年の秋肥と来年の春肥)で、化学肥料低減の取り組みを行ったうえで、前年度から増加した肥料費の7割が支援金として交付されます。5戸以上のグループでの申請が必要です。いずれも申請方法等の詳細は現在検討中です。決まり次第、大阪府のホームページ等でお知らせします。    農業マッチング制度利用しませんか 大阪府では令和3年4月より「大阪農業つなぐセンター」を設置し、新規就農、企業参入、ハートフルアグリ(農福連携)等のワンストップ就農相談窓口業務を行っています。 つなぐセンターでは新規就農を希望する方や農業体験等を希望する都市住民に対して、農業者の皆様による研修や体験を実施する「農業マッチング制度」に取り組んでいます。「農業マッチング制度」には、下記4つのコースがあり、登録いただける農業者を募集しています。 1、農業体験やボランティアの希望者を農業者に受け入れていただくコース 2、就農を志す方に対して必要な技術等を農業者に指導していただくコース 3、農業者と福祉施設で請負契約を締結し農作業の一部を福祉施設に委託していただくコース 4、農業者と副業を推進する企業の従業員とで雇用契約や請負契約を締結していただくコース