泉州普及だより 令和4年7月発行 第105号 ●クビアカツヤカミキリの拡大を防ぐために 特定外来生物であるクビアカツヤカミキリは、もも、うめ、すもも、さくらなどのバラ科植物の樹木内を食い荒らし、ひどい場合には枯死させてしまいます。平成27年に大阪府内で初めて確認され、泉州管内においても生息域が拡大していることから、農の普及課では、果樹生産者及び関係各所と連携してクビアカツヤカミキリ対策を実施しています。 令和3年度においては、啓発資料の配布による生産者への周知、特に侵入が警戒される和泉市、岸和田市での春秋2回の定点調査の実施、クビアカツヤカミキリの産卵・拡散防止に高い効果が期待される樹体へのネット被覆についての講習会の実施等、啓発と対策に取り組んできました。今年度も資料の配布や果樹講習会での注意喚起など啓発活動を実施するとともに、春の定点調査を行うなど、引き続きクビアカツヤカミキリ対策に取り組んでいます。 〇クビアカツヤカミキリの特徴 成虫:前胸部は赤く、こぶ状の突起が一対    体全体は光沢のある黒色 幼虫:人の背丈くらいまでの高さの幹、太い枝、根に侵入し、樹木内で4月から10月頃まで活動し侵入孔からフラス(排泄物と木くず、樹液が混ざったもの)を排出します。 〇クビアカツヤカミキリを発見したら 6月から8月にかけては、成虫の発生時期です。成虫を発見した場合は、その場で捕殺(踏みつぶすなど)してください。 ※クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定されており、法律で移動・飼育が禁止されています。果樹園で発生を確認された場合は、農の普及課までご連絡ください。また、防除方法など詳しくは、以下ホームページをご覧ください。 http://www.pref.osaka.lg.jp/midori/seibututayousei/kubiaka.html ●農薬は適正に使用しましょう 農薬はきちんと保管して、ラベルをよく読んで正しく使いましょう。 〇不適切な使用事例と結果、対策 事例:なすのミナミキイロアザミウマ防除に苦慮していたことから、既になすでの適用がなくなった殺虫剤を使用し、保健所の収去検査で検出。 結果:残留基準違反の報道発表を受けて、JAは速やかに当人が出荷したなすを回収。さらに地区内のなす生産者全員の残留農薬分析を行い、基準超過がないことを確認し市場の荷受拒否を回避。当人は周囲のなす生産者に迷惑をかけたとして、その年のなすの栽培を打ち切った。 対策:ラベルをよく読んでから購入及び使用しましょう。農薬のラベルには、守らなくてはならない情報・役に立つ情報が詰まっています。 〇正しいローテーション防除を! 農薬には商品名も成分も異なるが系統が同じ場合があります。→作用機作ごとに分類したのがRACコード→違うコードの農薬を複数使うことで正しいローテーションが組めます。 ●受賞おめでとうございます! 令和4年度憲法記念日知事表彰 式森 彦人(しきもり ひこと)さん(和泉市) 和泉市でかんきつ栽培を中心に、新品種導入や食味の向上、新たな販路開拓に取り組んでこられました。また、和泉市が実施している「和泉農業担い手塾」の実習の講師を務めるなど、栽培技術の向上や地域農業の発展に貢献されています。これらの取組みが評価され、知事から表彰されました。