泉州普及だより 令和元年10月発行 第94号 ●天敵を活用したいちごのハダニ類防除 泉州地域では約20戸がいちご生産を行なっています。近年、ハダニ類の薬剤感受性が低下し、農薬散布だけでは防除しきれず、収穫期間が短くなってしまうことが問題となっています。 そこで、農の普及課では、平成28年度から施設いちご栽培において薬剤感受性低下の恐れがない天敵製剤(ミヤコカブリダニ 、チリカブリダニ)を中心としたIPM防除体系の確立に向けた現地実証に取り組んできました。 昨年度は、ミヤコカブリダニについては、以前から使用されているボトル製剤から、化学農薬や環境変化の影響を軽減し、長期間放出できるパック製剤(バンカーシート)に変更しました。加えて、捕食力の高いチリカブリダニも併せて放飼しました。 その結果、初期にハダニ類が増殖したものの、気門封鎖剤や天敵に影響の少ない薬剤による防除を併せて行うことで、栽培期間中、ハダニ類の発生を抑えることができました。また、ミヤコカブリダニ及びチリカブリダニともに長期にわたり定着が確認できました。 天敵製剤を導入した生産者からは「コストはかかるが、年内の殺ダニ剤の散布回数を抑えることができ、春先に切り札としての化学農薬を残すことができた。5月に入っても葉の状態や果実の品質がよいので天敵の効果を実感した。」との声が寄せられました。 平成31年3月には天敵製造メーカーを現地に招き、現地ほ場にて情報交換会を開催しました。当日は管内いちご生産者10名が参加し、メーカーから天敵製剤の説明と当課から調査結果の報告を行いました。また、生産者同士でいちご栽培全般の情報交換を行うことができ、生産者間のネットワークの構築にもつながりました。 今後は、情報交換会を通じてIPM防除技術を普及するとともに、管内いちご生産者の栽培技術の向上を目指します。 天敵を活用したいちごのハダニ類防除について興味を持たれた方は、農の普及課にお問い合わせください。 ●「ハウスの補強に関する講習会」を開催しました 平成30年の台風21号は、最大瞬間風速毎秒58.1メートル(関空島)という記録的な暴風をもたらし、泉州地域では農業用ハウスに甚大な被害が生じました。このような被害をできるだけ少なくするため、JA(堺市、大阪泉州)の協力を得て、8月に泉佐野市と堺市でハウスメーカーから講師を招き、ハウスの補強に関する講習会を開催しました。内容は、ハウス被害の実態とメカニズム、ハウスの建設場所の確認ポイントから、適切な保守や補強、管理にまでわたり、「ひと手間」「ひと工夫」で被害が抑えられる具体的な話に、参加者は熱心に耳を傾けていました。 今後も気候変動に伴い、農業現場における災害被害の増加が予想されます。共済・保険への加入はもちろん、日頃から災害への備えに取り組みましょう! ●「わくわく!大阪産(もん)直売所 めぐり 最終回。買って納得。食べて満足。」を開催します! 大阪南部にある9ヵ所の農産物直売所が、直売所の魅力アップを目的に合同キャンペーンを開催します。本イベントは今回で最終回となります。旬の大阪産(もん)を味わいに、農産物直売所にぜひお越しください。 期間 10月12日(土曜日)から11月30日(土曜日)まで 内容 参加直売所で1,000円お買い上げごとにもらえるスタンプを集めて応募すると、農産物や加工品、お食事券などが抽選で計129名様に当たります。特賞には3か所以上のスタンプが5つ、大阪産(もん)賞には1か所以上のスタンプが3つ必要です。 参加直売所 コスモス館(堺市)、ハーベストの丘農産物直売所またきて菜(堺市)、道の駅いずみ山愛の里(和泉市)、葉菜の森(和泉市)、愛彩ランド(岸和田市)、こーたりーな(泉佐野市)、せんなんわくわく広場サザンぴあ(泉南市)、あすかてくるで(羽曳野店、河内長野店) ●泉州地域の農業祭情報 掲載情報は予定です。天候等により、中止、日程変更になる場合があります。 第32回和泉市農林業祭 10月19日(土曜日)、20日(日曜日)和泉中央エコールいずみ JAいずみの農業まつり 11月17日(日曜日) 池上曽根史跡公園 第44回堺市農業祭 11月23日(土曜日、祝日) 堺市大仙公園 第36回岸和田市農業まつり 11月23日(土曜日、祝日) 岸和田市立中央公園(市民の広場) 第70回貝塚市農業祭 11月24日(日曜日) 貝塚市役所周辺 第8回熊取ふれあい農業祭 12月1日(日曜日) 熊取町立中央小学校グラウンド 泉佐野市農業祭 12月7日(土曜日)レイクアルスタープラザ カワサキ広場(泉佐野市泉の森広場) 第4回せんなん農と海の恵みマルシェ 12月7日(土曜日) 農業公園花咲きファーム