泉州普及だより 平成31年3月発行 第92号 このたびの台風21号により府内全域で甚大な被害が発生しています。被災された皆様に対しまして心からお見舞い申し上げます。大阪府では一刻も早く復旧が進むよう、全力で取り組んでまいります。 ●従業員雇用に向けた講習会を開催し、雇用を促進しました! 泉州地域の販売農家はこの10年で約4,050戸から約3,150戸(農林業センサス2005、2015)に減少しており、今後の泉州農業の振興には栽培技術の向上だけでなく、規模拡大や雇用、販路開拓など経営者としての資質向上が必要となっています。平成29年度に管内の主力農業者120名に生産や販売、財務・労務の観点から現状や課題、将来の経営目標等を聞き取ったところ、従業員雇用を行い経営を拡大したいと考える農業者が多いことがわかりました。 そこで、泉州農と緑の総合事務所では南河内農と緑の総合事務所と共催で、農業者の従業員雇用を促進するため、雇用に先駆的に取り組む農業者(ナカスジファーム代表 中筋秀樹氏)や特定社会保険労務士(橋本將詞氏)を講師として、従業員雇用に関する講習会を全4回のシリーズとして開催しました。 中筋氏からは「指示だけを出すよりも、作業の目的と理由も伝えると、自身で考えて生き生きと作業をしてくれる。」、「自分と同じ作業内容を従業員ができると考えない。半分できたらよいと思い、どうやってスキルやモチベーションを伸ばすかが重要。」、「従業員が独立就農する際は土地や機械、販売面を支援した。のれん分けで従業員が担い手になっていくと地域農業が活性化する。」などこれまでの雇用経験や現在の取組を話していただきました。 橋本氏からは「労災保険に加入することで、従業員は安心して働けるようになる。」、「雇用契約を結ぶことで、経営者と従業員との労働条件についての食い違いを防ぐ。」など農業者が取り組むべき労務管理を講義いただきました。また、労働条件通知書の作成などの実習も行いました。 [写真]講習会の様子 出席者からは、「時給単価や昇給の基準はあるのか。」、「解雇が必要な場合は、どのように従業員に伝えるのか。」、「ボランティアは労働者として考えるのか。」など、各回で多くの質問が挙がりました。 終了後の参加者アンケートでは、参考になったという声のほか、中筋氏や橋本氏の話を生かし、従業員の雇用に取り組みたいなど意欲的な回答も得られ、講習会に参加された方のうち、3名が平成31年1月時点で従業員の雇用を行いました。 農の普及課では、関係機関や専門家と連携し、泉州地域の担い手農家の経営規模拡大を支援していきます。 [写真]実習の様子 ●全国農業青年交換大会が半世紀ぶりに大阪で開催されました! 日本全国の青年農業者が地域を越えて集い、知識・技術の研さんと互いの交流を深めることを目的とした全国農業青年交換大会が、2月13日から15日までの3日間、大阪をメイン会場として盛大に開催され、泉州管内からも多数の青年農業者が参加しました! 大会テーマは「儲(もうける)」、大会スローガンは「農業は青天井!集え!天下の台所に!!」で、大会内容も実に大阪らしさにあふれたものとなりました。 初日は大会実行委員長である木下健司氏(岸和田市)の主催者あいさつを含めた開会式、近畿各府県代表者によるプロジェクト活動の実績発表会、大阪国際大学の近藤浩章教授による記念講演、交流会等が実施されました。 プロジェクト活動の実績発表会では、岸和田4Hクラブの南孝信氏が「緑肥を使った人参栽培」について発表しました。青年農業者間で活発な意見交換が行われ、親睦が深まりました。 2日目には、交換大会では初めての試みとして、農業関係企業を招いた展示商談会やセミナーが開催され、日々の農業経営に役立つ情報を得ようと、多くの農業者が詰め掛けました。 3日目は、近畿各府県ごとの5コースに分かれ、現地視察が行われました。大阪コースでは、JAファームいずみの(岸和田市)、射手矢農園(泉佐野市)にて、全国の青年農業者に大阪農業を知ってもらう機会が設けられました。参加者からは「貴重な話を聞くことができた。とても勉強になった。」という感想も寄せられました。 [写真]主催者あいさつ(木下実行委員長) [写真]プロジェクト活動発表(南氏) [写真]2日目の商談会の様子 ●園芸施設共済に加入して多発する自然災害に備えましょう! 風水害や雪害などの自然災害によるビニールハウス等の園芸用施設の損害を補てんする園芸施設共済の掛金(農家負担)の半額は国が負担しています。パイプハウスの場合、補償額10万円当たりの掛金は年間約1,520円です。 昨年は台風、地震、豪雨と過去に例を見ないような自然災害が続いた年でした。特に台風21号では、ビニールハウスなど多くの施設が損壊し甚大な被害となりました。 万が一に備え園芸施設共済に加入しましょう。 ※ハウスの仕様や加入条件等により掛金は異なります。 詳しくは大阪府農業共済組合まで(ホームページ http://nosai-osaka.com) [写真] ●第3回おおさかNo‐1(のうワン)グランプリで中島 光博さん、辻 晃佑さんが入賞! 2月2日に一次・二次選考を勝ち抜いたファイナリスト7名による熱意あふれる経営強化プランのプレゼンテーションが行われました。選考の結果、中島光博さん、辻 晃佑さん(ともに和泉市)が協賛企業賞を受賞されました。おめでとうございます!