泉州普及だより 平成30年3月発行 第88号 ● 追肥の手間なし!省力的なエコ栽培米に取り組みませんか  大阪泉州エコ農産物推進協議会(※)の大阪エコ農産物申請面積は、83ヘクタールに達します(平成29年1月時点)。その中でも、水稲(米、以下“エコ栽培米”)は、全体の4割以上を占め、ブランド米(右下図)として販売する生産者もいます。  農の普及課は、JA大阪泉州と連携し、エコ栽培米の生産振興やPRに取り組んでいます。  水稲栽培では通常、田植え時(元肥)と、出穂2週間前(追肥)の2度肥料を施します。しかし、追肥の時期は農作業がきつい盛夏期と重なってしまいます。そこで、元肥だけで完了する“元肥一発型被覆複合肥料”を活用する生産者も増えています。  当課では今年度、有機質肥料の入った元肥一発型被覆複合肥料の現地実証試験を泉佐野市で行いました。田植え時にこの肥料を1回のみ使った場合と、通常の2回施肥の場合を比較したところ、同程度の収量や品質を得ることができました。  その結果を、昨年11月27日にJA大阪泉州と共催で開いた「エコ栽培米に新しく取り組む生産者向け研修会(左写真)」で報告したところ、参加した15名のうち7名の生産者が、この肥料を使用したエコ栽培米に新たに取り組むことになりました。  この肥料は、通常使われる肥料と比べると少し割高ですが、暑い時期の施肥作業を無くすとともに、化学肥料の使用量も減らすことが出来ます。当課では、ひとりでも多くの生産者にこの肥料を活用していただき、より一層エコ栽培米が普及するよう、今後も支援していきます。 ● シリーズ6次産業化にチャレンジ!第4回:坂上農園の水なすソースで食卓を豊かに♪   今回は貝塚市木積の坂上農園の取り組みを紹介します。園主の坂上令子さんは、自ら育てている水なすを加工し、漬け物やジャムを販売しています。  また、料理の腕前もすばらしく、あるテレビ番組でプロのシェフと料理対決をした際、自慢の水なすソースを使った料理で、みごと勝利されました。  この番組がきっかけとなり「水なすソースを商品化したい」との想いが芽生え、その相談を受けた農の普及課は、大阪産(もん)6次産業化サポートセンターと連携し、全面的に商品開発を支援しました。  商品開発については「初めてのことばかりで戸惑いもありました」と坂上さん。2人の娘さん(友珠さん、友佳子さん)とともに、商談会や消費者アンケートでコツコツと意見を集め、改良を重ねた結果、ついに商品化の運びとなりました(右)。  「今後もいろいろなソースの開発に挑戦し、シリーズ化していきたい」と意欲を見せる坂上さん。  これからも、その活躍に目が離せません! ● 松川祐也さん・浦田大志さんが大阪府代表で発表されました!  1月17日(水)、平成29年度近畿地域農業青年会議が奈良市で開催され、大阪府代表として、プロジェクト発表部門に堺4Hクラブの松川祐也さんが、意見発表部門に熊取町の浦田大志さんが出場されました。松川さんは「しゅんぎくの紫斑症対策」について、ご自身が2年かけて取り組んだプロジェクトを、豊富なデータを交えながらわかりやすく説明。浦田さんは、「都市農業へのこだわり」と題して、新規就農に至った熱い思いと今後の目標について力強く演説されました。  他府県からも多数の出場者があり、白熱した発表が繰り広げられ、審査の結果、浦田さんがみごと近畿農政局長賞を受賞。今年3月8〜9日に開催される第57回全国青年農業者会議への出場権を獲得しました。  「全国でも表彰を狙いたいです」と意気込む浦田さん。応援をよろしくお願いします!