泉州普及だより 平成29年12月発行 第87号 ●いちじくのアザミウマ類対策に取り組みました! 「岸和田の果物」というと「みかん」や「もも」がよく知られていますが、「いちじく」も多く栽培されています。消費地に近い岸和田のいちじくは樹上完熟にこだわっており、その美味しさから人気があります。 ところが、いちじくはアザミウマ類が果実の中に入ると果肉などが褐色になり、商品価値を著しく損なうことがあり、問題となっています。薬剤防除しても、被害を完全に防ぐことができないため、生産現場では様々な防除手段を組み合わせて被害を低減させる方法に取り組んでいます。 今年度は、アザミウマ類の作物への飛来防止資材として注目されている「赤色ネット」と「乱反射型光拡散シート」を設置し、物理的に防除するという試験を実施しました。赤色ネットをほ場の周囲に張り、乱反射型光拡散シートをマルチとして設置したところ、設置区では無処理区に比べて被害果率が大幅に減少するという結果が得られました。 農薬の使用をできるだけ減らす大阪エコ農産物にも活用が期待されます。 いちじくのアザミウマ類対策について興味を持たれた方は、農の普及課にお問い合わせください。 ●シリーズ6次産業化にチャレンジ!第3回 木積たけのこを1年とおして食卓へ 山中農園の取り組み 貝塚市木積の地元食材といえば、木積たけのこ。味よし、見た目よしのブランドたけのことして人気を集めています。木積の山中農園の山中弓子氏は、地元食材を提供する農家レストラン旬菜工房遊味(ゆうみ)を立ち上げ、日頃から食育や地産地消の活動を行ってこられました。そして今回、木積たけのこを一年中味わってほしいとの思いから、加工品の開発に挑戦しました。一年間、消費者の意見を聞きながら味の改良を重ね、3つの商品ができあがりました!農の普及課では加工品の販路開拓のために商談会の出展支援なども行っています。 「たけのこうま煮」はダシでたけのこを含め煮にした商品です。下味がついているのでそのまま天ぷらや煮物に使えます。「たけのこすっぱ煮」は昆布などと一緒に炊き、お酢を使ってあっさり味に仕上げてあります。「たけのこぬか漬け」は漬け床に竹ぬか(※)を使用した珍しいぬか漬けで、ぬかの配合、漬けかたなどを試行錯誤して完成したこだわりの品です。いずれも新鮮な木積たけのこを使い、化学調味料などは使用せずに素材の味を生かすよう工夫しています。 紹介した加工品は旬菜工房遊味で販売されていますので、ぜひお求めください! (※)竹の粉末と米ぬかを一緒に発酵させたもの ●守れていますか!? あなたの知的財産 「知的財産」ってご存知ですか?自らが育成した品種や自らの農産物のブランド化のために作成した名称やマークなどを「知的財産」といい、権利を守っていくためには品種登録や商標登録などが必要です。 詳細は、品種登録については大阪府農政室推進課、商標登録については知財総合支援窓口 大阪(06-6479-3901:予約制)までお問い合わせください。