泉州普及だより 平成29年7月発行 第85号 ●水なすのつや無し果対策について 水なすは泉州地域を代表する野菜ですが、夏の高温により果皮のつやが失われるつや無し果(ボケなす)が生じやすく、見た目の悪さだけでは無く、漬けものにしたときの漬かりも悪くなり、商品価値が下がってしまいます。 農の普及課では、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所(以下、研究所)と協力して原因究明と対策に取り組んできました。 つや無し果は夏のなり疲れ(収穫するにつれ生育が鈍っていく状態)が出る頃に発生が多くなります。 そこで、1株あたりの着果数を減らすため、平成27・28年度に、貝塚市の露地栽培において従来の4本仕立てを2本仕立てに変えて栽培しました。 その結果、つや無し果の発生は、4本仕立ての5.6%に対し、2本仕立てでは1.1%と5分の1に抑えることができました。また、4本仕立てと同等の収量を確保するには、10a当たりの株数を慣行の1.4倍にする必要があることもわかりました。 あわせて、日中の気温を下げればつや無し果の発生が抑制されることから、研究所の施設で循環扇と細霧冷房システムの効果を検証しました。その結果、2℃程度気温が低下し、10〜23%、つや無し果が減少しました。平成29年度は泉佐野市内の約5aの施設栽培で細霧冷房システム等を用いた試験ほを設置し、効果を検証中です。 詳細は農の普及課までお問い合わせ下さい。 ●シリーズ6次産業化にチャレンジ!第1回 果汁100%「まるしぼり」の味を!久保農園の挑戦! 久保峰子さんは、和泉市で柑橘類を主体に生産し、昨年立ち上げた「手作り工房くぼ」で、たけのこ水煮をはじめいろいろな加工を行っています。今回ご紹介するのは、久保農園の果実を使った取組です。出荷できない柑橘類が捨てられるのを目の当たりにし、なんとか利用できないかと考えたことがきっかけでした。相談を受けた農の普及課が、商品開発に関わり、商品化に結びつきました。現在のラインナップは、はっさくジュース、レモン果汁、レモンゼリーです。すべて久保農園の果汁のみを使ったこだわりの品です。    ジュースやゼリーはそのまま冷やして、レモン果汁は蜂蜜レモンや手作りドレッシングにおすすめです。今後は果実を使った他の加工品にも挑戦したいと意欲をみせておられました。ご紹介した加工品は愛彩ランド、いずみ山愛の里などで購入できます。 6次産業化に関する疑問、お悩みは、 大阪産(もん)6次産業化サポートセンターへ! わかりやすくお応えします。 TEL:072-958-6545 HP:http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/6jika/ ●おめでとうございます!平成29年度憲法記念日知事表彰 露口 太一さん(和泉市) 向井 利夫さん(熊取町) 堺4Hクラブ ●あなたは大丈夫?『農薬の適正使用』 農薬を使う時に「慣れ」から、農薬のラベルを確認せずに「つい、うっかり」使用する可能性があります。もし、あなたの農産物から基準値を超える農薬が検出された場合に、あなた自身だけでなく地域の方々にも多大な影響を与えてしまうことになりかねません。農薬の使用に際しては「ラベルを確認する」、「使用履歴を記録する」、「散布後は噴霧器を洗浄する」、「周辺への飛散に注意する」など当たり前のことですが、あらためて確認しましょう。