泉州普及だより 平成28年12月発行 第83号 ●たまねぎ 「ベと病」に注意しましょう 本年度産たまねぎにおいて、「べと病」が多発しました。次年度も多発する可能性がありますので十分注意しましょう。 ◎これからの対策 @苗床〜本ぽ(年内から1月中旬) ・ペンコゼブ水和剤、ランマンフロアブル、プロポーズ顆粒水和剤などを、予防的に散布する。 ・薬剤散布時には十分な散布液量となるようにしましょう。(10a当たり最低100L) A1月下旬〜3月頃 ・春以降の感染源である越年罹病株が発生してくるので早期に発見し、抜き取りましょう。抜き取った株は畑に放置せず、ほ場外へ持ち出しましょう。 ・ランマンフロアブル、ザンプロDMフロアブル、プロポーズ顆粒水和剤などを、散布しましょう。( 農薬登録は平成28年11月10日現在 ) ●フリージアの自家産球生産技術を確立しました 和泉市では球根切り花であるフリージアが盛んに栽培されています。近年、花きの価格下落や栽培コスト高騰により、球根を業者から購入するのではなく、農業者自らが球根を養成する自家産球を使った栽培が増えています。昨年度、農の普及課ではこの取組を支援するために、年末出荷用の自家産球生産技術の確立に取り組みました。 具体的には、和泉市の農業者らが養成した自家産球の比較試験を通じて、「球根は梅雨前(6月上旬まで)に掘り上げ、球根の腐敗を防ぐ」、「掘り上げ後は通風の良い環境で球根を乾燥させ保管する」、「年末出荷を目指す場合は大きい球根を選別して使用する」、「ウイルス罹病株の抜き取りを励行する」などの養成条件を整理しました。また、講習会等で地域の農業者へ試験結果や自家産球の養成ポイントなどを説明しました。 当課では引き続きコスト削減や品質向上等の技術を普及させることで農業者の所得向上を図っていきます。 ●4Hクラブ会長訪問 岸和田4Hクラブ 岸和田4Hクラブは、現在クラブ員が12名で、月1回の定例会やJAいずみの展示即売会・農業まつりへの出店、体験農園の管理・指導や岸和田発のにんじん“彩誉(あやほまれ)”を共同栽培し4Hクラブとして販売するなど、多岐にわたる活動を行っています。また彩誉を広くPRしていくため、彩誉ブランド委員会に参加し、収穫体験を行ったりしています。 今年度の会長は中尾宙夢(ひろむ)さんです。夏には水なすを、冬には個人でも彩誉の栽培をされています。まだ就農してから日が浅いこともあり、今はより品質の良い農産物を効率良く生産できるよう奮闘されています。 これからのシーズン、岸和田4Hクラブで栽培した彩誉も収穫時期を迎えます。JAいずみの愛彩ランドに出荷される予定ですので、ぜひ一度味わってください。 ●知ってる?旬の泉州の大阪産(もん) お正月に是非 ダッチアイリス アヤメなどの仲間で紫色の花を咲かせるアイリスは、和泉市や泉南市で盛んに栽培されています。本来は冬の寒さに当たり、4〜5月に開花するアイリスですが、球根を2ヶ月間冷蔵庫に入れて冬が来たと思わせることで11月から出荷できるようになりました。お正月等大事な人を迎えるときは、ぜひアイリスを飾ってみませんか。 ●堺の新米を新嘗祭に献穀 平成28年10月28日、堺市の北尻芳孝(よしたか)氏が、宮中恒例祭典で最も重要な「新嘗祭(にいなめさい)」に使用される新米(ヒノヒカリ)を皇居で献上されました。11月23日に行われる「新嘗祭」は、五穀豊穣と我が国の農業の繁栄を祈願するものです。 ●電気柵に注意しましょう 近年、田畑や果樹園への害獣の侵入被害が全国的に広がってきています。電気柵は害獣の侵入を防止するのには効果的ですが、使い方によっては重大事故につながります。電気柵を使用する際には、下記の注意点を守ってください。 1)子どもでも容易に見える位置や間隔、見やすい文字で危険表示を行うこと。 2)子どもや観光客・ハイカー等の通行が予想される公道等に面した箇所に電気柵を設置する場合は、昼間の通電を控えること。 3)電気柵の電気を30V以上の電源(コンセント用の100V等)から供給する時は、電気用品安全法の適用を受ける電源装置を使用すること。また、危険防止のために、15mA以上の漏電が起こったときに、0.1秒以内に電気を遮断する漏電遮断器を設置すること。 4)電気柵に電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に、専用の電源スイッチを設置すること。