泉州普及だより 平成28年3月発行 第80号 ●水なす栽培の「総合防除マニュアル」を作製! 農の普及課では、平成17年度に当時の技術で水なすの減農薬栽培にチャレンジするための技術資料を初めて作成し、生産者に配布しました。 その後、主要害虫であるアザミウマ類の防除に向けて、当課と地方独立行政法人環境農林水産総合研究所(以下、環農水研)と共同で、天敵や微生物農薬等を活用した総合防除技術の確立に取り組んできました。 そしてこの度、これまでの取組を「水なす栽培の総合防除マニュアル」として冊子化しました。 マニュアルでは、ハウス栽培での天敵(スワルスキーカブリダニ)や微生物農薬(メタリジウム剤)、赤色ネット等の活用方法を示しています。また、露地栽培では初の天敵農薬であるスワルスキーカブリダニや在来天敵のハナカメムシの活用方法等について説明しています。 本マニュアルは4月以降に配布予定ですのでご活用下さい。 ●デルフィニウム 地域に合う品種を比較! 泉州地域はアイリスやフリージア等の球根切花、葉ぼたんや胡蝶蘭等の鉢花生産が盛んですが、近年の花きの価格下落を受け、当課では今年度、1年間に最大3回収穫でき、省力的な「デルフィニウム」の導入に取り組みました。 デルフィニウム7品種の栽培展示ほを泉南市に設置し、2月5日には管内生産者と「現地検討会」を実施しました。 検討会では、最も花きの取引が活発な年末出荷が可能な品種を示すことで、生産者からは「この花色はいい」「次の花を収穫するための管理はどうしたらいいのか」など、活発な意見が交わされました。当課では引き続き地域に合った新たな技術や品目を普及していきます。 ●水稲(大阪エコ農産物)栽培ごよみが完成! 当課ではこのたび、JA大阪泉州管内のエコ栽培米(大阪エコ農産物栽培基準により栽培される米)の拡大に向けて「栽培ごよみ」を作製しました。 品種は作付の多いヒノヒカリ、キヌヒカリの2品種を取り上げ、水管理や施肥、病害虫防除等の要点を説明するとともに、生産者が取り組みやすいよう、JAの協力を得て施肥や防除の具体例も掲載しています。 農作業小屋の壁等に貼って見やすく活用してもらうように、印刷用紙は耐久性のあるコート紙でA2のポスターサイズを採用、片面に1品種ずつ掲載する工夫もしています。 栽培ごよみは、JA大阪泉州をはじめ、同JA管内の市町や農業関係組織、直売所等に配布し、今後のエコ栽培米の面積拡大につなげていきます。 ●知っていますか 旬の泉州の大阪産(もん) たけのこ 「たけのこ」と言えば京都を思い浮かべる方も多いと思いますが、泉州地域でも 貝塚市、岸和田市、和泉市等の山間部で盛んに生産されています。特に、貝塚市木積(こつみ)産のものは高級たけのことして、料理店等で利用されています。 良質なたけのこの生産には、堆肥や稲わらを施し、客土するなど手間がかかりますが、手入れの行き届いた柔らかい土から収穫される「朝採りたけのこ」は絶品です。4月中下旬になると農産物直売所でも手ごろな価格で販売されますので、独特のシャキシャキとした歯ごたえと春の香りをぜひお楽しみください。 ふき 早春にすがすがしい姿を見せるふきは、冬の終わりを告げる野菜として古くから珍重されてきました。なにわ特産品の一つ「大阪ふき」は、柔らかく、豊かな香りとほろ苦さがあります。 市場での品種は「愛知早生」が中心でしたが、平成10年に大阪府立農林技術センター (現、環農水研)において、選抜品種「のびすぎでんねん」が誕生し、以来、泉州ではこの品種が多く栽培されています。 彩りがきれいで歯ざわりがよいので、ふきご飯等、幅広い料理に利用できます。大阪ふきの旬は5月末まで。農産物直売所等でも販売していますのでぜひご賞味下さい。 ●おめでとうございます! 平成27年度公益社団法人大日本農会農事功績表彰 緑白綬有功章 南 昇一さん(泉佐野市) 平成27年度大阪府農業生産・経営近代化優秀農業者(自立経営部門)知事賞 中出 成幸さん(貝塚市)