泉州普及だより 平成27年9月発行 第78号 ●モロヘイヤ JAいずみので新たな産地 地球の温暖化により夏季の気温が以前と比べるとかなり高くなっています。泉州の特産品である軟弱野菜についても、夏季の高温により、従来どおりの栽培方法では安定生産が難しくなっています。 JAいずみの軟弱蔬菜生産出荷組合では、その対策として昨年度から新たにモロヘイヤの栽培と共同出荷を始めました。今年度モロヘイヤを組合に出荷する生産者は26名、栽培面積も約1haと昨年に比べ大幅に拡大しました。 エジプトが原産地と言われているモロヘイヤは、暑さに強く、他の軟弱野菜に比べると病害虫の被害を受けにくい作物です。 また、カルシウム、カロテン、ビタミンCなどを多く含み、健康への関心の高い消費者からは夏場の貴重な野菜として人気です。6月から10月まで収穫が続き、市場を通じてみなさまの食卓へ届きます。 ●根こぶ病を抑える 農薬に頼らず持続的な効果 堺市では泉州さかい育ち(大阪エコ農産物)の生産がさかんですが、こまつな等アブラナ科野菜の栽培では、排水不良のほ場を中心に根こぶ病の発生が問題になっています。農薬に頼らない対策の一つに、石灰資材によりpHを7以上に上げる方法がありますが、微量要素欠乏が生じやすい欠点があります。そこで農の普及課では、微量要素を含み、即効性と持続性を合わせ持つ土壌改良資材「転炉苦土石灰」の効果を、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所やJA堺市と連携し検証しました。 は種前に10アールあたり2トン施用したところ、 収穫時にはpHが7.4となり、対照区と比べて発病が抑制され、1株当たりの地上部の重さが平均で約1.7倍となりました。 この効果は半年以上(4月から2月まで4作)持続し、発生の多い秋作においても発病を抑えることができました。今回の取組について、興味を持たれた方は、当課までお気軽にお問い合わせください。 ●直売所ネットワークによる合同キャンペーンを開催 泉州農と緑の総合事務所では、農産物直売所に共通する課題を解決するため、直売所間の連携(ネットワーク化)に取り組んでいます。 今年8月、泉州・南河内地域の12ヶ所の直売所からなるネットワーク組織「農産物直売所連絡協議会」がスタートし、このたび、直売所に足を運んでもらうための取組として、合同キャンペーンを以下のとおり開催することとなりました。味覚の秋、収穫の秋、大阪産(もん)の秋を体感できる本キャンペーンに是非ご参加下さい。 ・農産物直売所合同キャンペーン 「大阪産(もん)秋の陣 いざ、直売所へ」 期間は平成27年10月24日(土曜日)から12月6日(日曜日)までです。 場所は南大阪地域にある12ヶ所の直売所です。 各直売所で1000円お買い上げごとにもらえるスタンプを5つ集めて応募すると各直売所から季節の農産物や地元のお米、加工品等が抽選で当たります。 ・参加直売所 鉢ヶ峯フラワー農園コスモス館(堺市) ハーベストの丘農産物直売所またきて菜(堺市) 道の駅いずみ山愛の里(和泉市) (株)いずみ・ファーマーズ葉菜の森(和泉市) JAいずみの農産物直売所愛彩ランド(岸和田市) 奥貝塚彩の谷たわわ(貝塚市) ほの字の里(貝塚市) JA大阪泉州農産物直売所こーたり〜な(泉佐野市、阪南市) せんなんわくわく広場サザンぴあ(泉南市) JA大阪南農産物直売所あすかてくるで(羽曳野市、河内長野市) ●知っていますか 旬の泉州の大阪産(もん) さといも 泉南地域では、8月下旬から極早生のさといも「石川早生」の出荷が始まっています。石川早生は名前のとおり早く収穫できる早生品種で、その形状がきれいな丸形になることから、月見の芋として重宝されています。淡白な味わいで、皮ごと蒸して皮をむいて塩やわさび醤油、味噌などにつけて食べる「きぬかつぎ」や煮物に適した品種です。石川早生の旬は9月のお月見の時期から10月末頃まで。さといもを食べて大阪の秋を満喫してみませんか。 みかん 泉州地域の丘陵部では、コクのある味の良いみかんの生産が盛んです。豊富に含まれるビタミンCは風邪の予防やシミ・ソバカスなどの原因となる活性酸素を抑えます。また体の中でビタミンAに変わるカロテンも多く含まれています。泉州のみかんの旬は10月から1月で、この時期、農産物直売所にはたくさんのみかんが並びます。これから旬を迎えるみかん。ビタミンC補給も併せて是非ご賞味下さい。