泉州普及だより 平成27年7月発行 第77号 ●コナガに注意 ジアミド系農薬の連用はやめましょう かつて、キャベツにおいてコナガは防除の難しい代表的な害虫でした。その後、新しい農薬が開発され、コナガの被害は減りましたが、最近、他県においてコナガに対するジアミド系農薬(特にプレバソンやフェニックス)の効果が低下している事例が報告されています。 この原因は、定植前の苗の灌注処理と定植後の散布でジアミド系農薬を連用し、コナガがこの農薬に対する抵抗性をつけたからと考えられます。 このままジアミド系農薬の多用を続ければ、近い将来、薬剤抵抗性のコナガが現れて、防除効果が期待できなくなる恐れがあります。対策は、同系統の農薬の連用を行わない、異なる系統の農薬も使い害虫密度の低いうちに丁寧に防除することしかありません。 ジアミド系農薬の散布・灌注は一回とし、他の系統(アファーム、ディアナ、トルネード、BTなど)と併用するようにしましょう。 ●種子伝染します 褐紋病にご注意下さい 褐紋病は、なすの葉や果実に、不正形で褐色の病斑を生じ、病斑の表面に黒色の小粒点を形成する病害です。茎にも病斑が発生し、そこから先端方向の茎がしおれる症状も見られます。 主に露地栽培において梅雨頃から発生し、盛夏をすぎる頃から被害が増える傾向にありますが、育苗中に発症することもあります。感染源は、種子伝染、感染株からの菌の飛散や土壌中の罹病残渣です。 防除のポイントは次のとおりです。 病斑のある果実から種子をとらない 被害葉や果実は見つけたらすぐに取り除き、ほ場周辺に放置しない ほ場内の排水や風通しを良くし湿度を上げない チッソ肥料をやりすぎない 被害ほ場での連作を避ける (平成27年6月末現在、なすの褐紋病について登録農薬はありません。現在、農の普及課では(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所(以下、環農水研)と一緒に農薬登録にむけて試験を行っているところです。) ●あなたは大丈夫ですか 「農薬の適正使用」 農薬を使う時に「慣れ」から、農薬のラベルを確認せずに「つい、うっかり」使用する可能性があります。もし、あなたの農産物から基準値を超える農薬が検出された場合に、あなた自身だけでなく地域の方々にも多大な影響を与えてしまうことになりかねません。農薬の使用に際しては「ラベルを確認する」、「使用履歴を記録する」、「散布後は噴霧器を洗浄する」など当たり前のことですが、あらためて確認しましょう。 ●水なすぬか漬けの衛生管理マニュアルが完成しました 泉州地域を代表する特産品「水なすぬか漬け」を製造する際には、「漬物の衛生規範」に基づき、原材料である「水なす」の殺菌等の衛生管理が必要となりました。しかし、殺菌すると色落ちするのではないかと心配する声がありました。 そこで、当課では、環農水研に依頼し、殺菌時に適切に処理を行うことで色落ちしないことを明らかにしました。 この研究結果を踏まえ、色落ちの心配がなく、かつ衛生規範に基づいたマニュアルを泉佐野保健所とともに今年3月に作成しました。 マニュアルでは、原材料のチェックや洗浄、次亜塩素酸ナトリウム溶液による殺菌等、衛生上の留意点を示すとともに、色止め剤(硫酸第一鉄)の効果的な使用方法について具体的に記載しています。さらには販売する際の表示についても説明しています。 このマニュアルを参考にして安全で安心できる「水なすぬか漬け」を販売できるよう、当課では農業者の方々にマニュアルを配布していますので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。 ●知っていますか 旬の泉州の大阪産(もん) 紅ずいき さといもの葉柄を「ずいき」といい、大阪で作られているずいきは、その葉柄が赤褐色であることから「紅ずいき」と呼ばれています。ずいきにはカルシウムをはじめ、カリウム、食物繊維、葉酸、鉄分などが含まれており、「産後のからだにはずいきがいい」との風習も残されています。煮物、炒め物、酢の物などいろいろな料理に活用できるずいきですが、「アク」があり、手に付くと取れないため、上手にアクを抜いてから調理しましょう。 アクの抜き方 1、鍋にたっぷりの湯を沸かし、大さじ1杯の酢を加え、3〜4分ゆでます。煮物など、もう一度火を加えるものは固めにゆでます(2〜3分)。 2、水に取って、水の中で皮をむき、そのまま水にさらしてアクを抜きます。 3、食べてみてアクが抜けていたら、水をよく絞って、料理をします。 もも 泉州地域では岸和田市の包近(かねちか)地区に産地があります。都市近郊の立地を活かし、完熟のももとして6月から8月にかけて販売されています。また岸和田市にある道の駅「愛彩ランド」の直売所では完熟ももの販売だけでなく、「ジェラート」などの加工品も人気です。今が旬の「大阪もも」をお召し上がり下さい。 ●おめでとうございます 平成27年度憲法記念日知事表彰 久保充己さん(和泉市) 北本幹雄さん(熊取町) 農事組合法人 奥貝塚彩の谷(貝塚市) ●大阪産(もん)6次産業化サポートセンターが開設しました 6次産業化に関する 疑問、お悩み に わかりやすく お応えします。お気軽にご相談下さい。 http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/6jika/