ネット・ゲームの使用による問題で困っている人のために ネット・ゲーム依存とは インターネット(スマホを含む)やゲームの使用がコントロールできずに、 どんどんエスカレートして学業や仕事、日常生活などに問題が起きている状態です。 2019年5月には、世界保健機関(WHO)が「ゲーム症(障害)※」を疾患として定義しました。 医学的な定義は定まっていませんが、ゲーム以外のインターネット(スマホ)使用でも さまざまな問題が起こることがわかってきています。 ネット・ゲーム依存の背景 ネット・ゲーム依存の背景には、 学校や職場でのストレス、家庭などの環境、本人の心理的な要因や発達の特性、 ゲームやネットの仕組みのはまりやすさなど、様々な要因があると考えられています。 いじめ、成績、友人関係、進路、 家族間の関係、家族の心身の健康状態、虐待、 衝動性、うつ、不安、孤独、こだわり、自身のなさ、 時間がある、終わりがなく競走を煽る仕組み、ゲームを頻繁にする友人がいる、 オンライン上の仲間とのコミュニケーション、 ゲーム内で称賛・期待される、ゲーム内のチームでの重要な役割 ネット・ゲーム依存のために起こる問題 からだ ・睡眠不足 ・昼夜逆転 ・栄養不足  ・肥満 ・視力の低下 ・体力の低下  ・骨がもろくなる ・頭痛、腰痛、関節痛 ・エコノミークラス症候群 ・だるい、疲れやすい こころ ・感情のコントロールができない ・いらいらする  ・怒りっぽくなる ・やる気がでない ・集中できない ・ゆううつな気持ちになる 学校や仕事 ・勉強や仕事に集中できない ・成績が落ちる、業績が落ちる ・遅刻、欠席、欠勤 ・退学、退職 ・家事、育児ができない 人間関係 ・家族と衝突する ・現実の友人関係がなくなる ・暴言、暴力 ・ゲームやネットに関して嘘をつく お金 ・ネットやゲームに関連したものを買いすぎる ・課金しすぎる ・お金を盗む  ・借金をする 回復に向けて いろいろな助けを得ながら、ゲームやネットに頼らない生き方をすることができます。 ゲームやネットの依存からは、回復することができます。 自分でできる工夫 ◆ 行動記録をつけてみる ◆ 身の回りをチェックしてゲームやネットを しやすい環境になっていたら、変えてみる ◆ スマホを持ち歩かない ◆ 通知やお知らせをオフにする ◆ ゲームやネットを使わない活動に取り組む ◆ 専門家に相談してみる 予防のために大切なこと 低年齢からネットやゲームの使い方や危険性を学んだり、学校や家庭でルールをつくって守ったりすることが大切です。 そのためには、周りの大人も、そのことを理解して実践することが必要です。 また、ストレス対処法などメンタルヘルスに関する知識を身に着けること、趣味や生きがいを持つこと、 信頼できる人とのつながりを大切にすること、困ったり悩んだりした時に誰かに相談することなども大事なことです。 関わりのポイント ネットやゲームをやめさせることに着目しすぎずに、背景にある問題や課題を理解し、 本人なりに自立して生きていく力を身に着けていくことを念頭に、あせらずに関わりましょう。 ◆ 背景にある現実のしんどさに寄り添う  ・ネットやゲームに没頭せざるをえない理由があると受け止め、改善のためにできることがないかを一緒に考える。 ◆ ネットやゲームを急にとりあげない  ・一方的にネットやゲームをとりあげると、本人を追い詰めたり、暴言や暴力、家出などにつながることがある。 ◆ 好ましいコミュニケーションをこころがける  ・ネットやゲーム以外の会話(あいさつなど)を大切にする。  ・ネットやゲームについて一方的にコントロールしようとしないようにする。  ・本人のできていることに目を向けて、小さなことでも褒める。 ◆ 生活環境を整える  ・睡眠、食事、運動、清潔などの環境を整えられるように手助けする。  ・ネットやゲームを使わない活動を援助する。  ・ネットやゲーム以外に、興味を持てることを一緒に探す。 ◆ 家族自身が元気になる   ・あせらずに本人をサポートするためにも、家族自身の健康や生活も大切にする。 こんなことはありませんか? 1.以下の特徴を満たすゲーム行動パターンがある  □ インターネットやゲームのコントロール障がいがある(開始、頻度、熱中度、使用時間、終了、プレイ環境など)  □ ほかの日常生活の中で関心のあることや活動よりもゲームを優先する  □ ネットやゲームのために、問題が起きているにもかかわらずゲームを続ける、またはもっとネットやゲームをするようになる 2.ネットやゲームのために、ひどい苦痛を感じたり、身の周りのことや、仕事、勉強、家事などに大きな支障がある 3.12か月以上、上記1の行動パターンが繰り返し続いており、12か月未満であっても、   上記1のすべての特徴があり、かつ重症である (ICD-11ゲーム症(障害)※より改変) ※Gaming disorder 日本語訳は令和4年12月現在未確定です まずはご相談を ネット・ゲームの問題に関することでお困りの場合は、一人で抱えず、相談してください。 回復への糸口を一緒に考えることができます。 大阪府こころの健康総合センター 〒558-0056 大阪市住吉区万代東3-1-46 TEL:06-6691-2811㈹ FAX:06-6691-2814 HP:「こころのオアシス」http://kokoro-osaka.jp/ 令和4年12月発行