意見書4 民間事業者の合理的配慮の法的義務化について  本日、公務のため出席がかないませんので、一言意見を述べさせていただきます。民間事業者の合理的配慮の法定義務化については賛成です。理由は3つです。    一つは、障害者権利条約は,合理的配慮を,公的機関と民間事業者の区別なく、法的義務として定めています。本年9月に採択された障害者権利委員会の日本の初回報告に関する課題一覧(リストオブイシューズ)でも、「障害者差別解消法が、合理的配慮の拒否を私的及び公的分野における障害に基づく差別の一形態として認めているかどうかを明らかにされたい。」と私的分野と公的分野を同列に論じています。公的機関と民間事業者で公的義務と努力義務に分ける理由はありません。これに対して、民間事業者の方が公的機関に比して財政基盤が弱く、人的・物的規模が小さいため、合理的配慮の提供が法的義務化されると、民間事業者の負担が大きくなるのではないかという指摘もあります。しかし、それは、過重な負担の問題で解決できます。合理体配慮の提供が、提供する側にとって過重な負担である場合は、提供をしなくても「合理的配慮の不提供」にはなりません。    二つは、同じ内容のサービスの場合,設立主体が「公」か「民」かで、区別すること自体極めて不合理です。公立病院でも私立病院でも提供するサービスに差があってはなりません。合理的配慮の提供も同じです。    三つは、大阪府下の各自治体が,相談窓口として,障がいのある人と事業者との間で調整を試みようとしても,事業者の合理的配慮が努力義務にとどまっているために,相談員による対話の働き掛けが困難になる等の事例が散見されることです。差別解消のためには、特にどのような合理的配慮の提供が適切かということについては、提供される側と提供する側との「建設的対話」が不可欠です。建設的対話を促すためには、努力義務では極めて不十分です。また、現在、いくつかの地方公共団体においては,条例により事業者の合理的配慮を法的義務として規定し,積極的な差別解消を図っています。大阪府下では茨木市が条例を作っています。法的義務であるからといって、それによる何らのトラブルも聞こえてきません。差別解消法が努力義務であるのに、条例で義務とするのはいかがかというご意見もあるかもしれませんが、法律自体、各地方の実情に合わせられるよう条例による上乗せ横出しを当然に認めています。アンケートからも、府民の反対意見は見受けられません。したがって、障害の有無にかかわらず共に生きる社会を目指す大阪府としては、民間事業者の合理的配慮の法的義務化については、ぜひとも条例改正をして行うべきであると考えます。  以上