水なすの更なる振興に向けて IPMの普及、巡回指導、つや無し果対策、加工品の衛生管理等 ●背景 水なすは泉州を代表する作物の一つであり、生産者もJAいずみの、JA大阪泉州の水なす部会員を合わせると216名(平成28年度)にもなる。 平成19年には「泉州水なす」として地域登録商標になっている。 ●課題 水なすは、果実に葉が触れただけで傷が付くデリケートな作物なため、手間がかかり、安定出荷が難しい。 ●活動内容 近年、難防除病害虫の一つにミナミキイロアザミウマがあり、既存薬剤に対する抵抗性の発達もあり、 天敵農薬を中心とした総合防除技術(IPM)の普及に向け、 現地試験の結果をとりまとめた技術資料をリニューアルして指導を行っている。 また、水なすは夏季には地元で「ボケなす」と呼ばれるつや無し果の発生が安定生産上の課題となっており、 羽曳野にある環境農林水産総合研究所と連携して対策も検討している。 また、水なすは浅漬けが有名で、現状でも品質の良いA品は漬物業者にむけて出荷されている。 しかし、近年、農業者も自ら漬物加工に取り組む例が増えている。農の普及課では衛生管理等のマニュアルを作成し、 より一層安全、安心な浅漬けの加工を行えるよう支援している。 加えて、浅漬け以外の加工品の作成に関しても、環境農林水産総合研究所と連携して取り組んでいる。 水なすを使った料理レシピ集も作成して生果の販促も行っている。 ●成果 農の普及課では上記の取組を通じて地域全体の栽培技術向上を図っており、2JAの部会合計で栽培面積 27.5ha(216人:28年末)と規模を維持しており、近年は10名程度の新規参入者の確保にもつながっている。