最近の消費動向

更新日:2009年8月5日


最近の消費動向(11年3月〜5月期、個別ヒアリング)


 当所では、現場での消費動向を把握するため、スーパー、百貨店、家電量販店を対象にヒアリング調査を行った。
 スーパー、百貨店は、3月は前年を上回る品目がほとんどなく、全体の売上げは10%前後の大幅な落ち込みとなった。地域振興券の効果は、スーパーでは子供向け商品を中心にみられたものの、百貨店ではほとんどみられなかった。家電量販店では、パソコン、オーディオを中心に売上げを伸ばしている。

百貨店
 A社
 3月の売上げは前年同月比で10%近くの減少となった。衣料品が大幅な減少となったのをはじめ、身の回り品、食品、雑貨も減少するなど、全般的に低迷した。3月下旬に交付が始まった地域振興券については、今のところ、売上げを押し上げる効果は見えにくい。
 衣料品では、紳士服、婦人服、子供服とも大幅な減少となった。紳士服は既製服、オーダー、セーター、ワイシャツなど、いずれも大幅な減少となった。リクルート関係は、就職活動の早期化の影響で減少し、新社会人向けも大幅な減少となった。婦人服では、ブランドものの肌着が、催事の効果もあって二けた増となったほかは、既製服、オーダー、スカーフなど、いずれも大幅な減少となった。子供服は、卒園、入学関係衣類やランドセルはまずまずであったものの、ベビー向けが大きく落ち込んだ。呉服は、卒業式・謝恩会向けのブランド着物が動き、若干の増加となった。
 身の回り品は若干の減少となった。婦人靴は、新しいデザインのリクルート向けが好調で若干の増加となったが、ハンドバッグは、革素材離れの動きが続いてリクルート向けを中心に減少した。婦人装飾品は若干の減少、紳士靴、紳士装飾品はいずれも大幅な減少となり、家具・家庭用品も大幅な減少となった。
 食品は若干の減少となった。ホワイトデーは若干の増加となったものの、ワインが下火となり、和洋酒は大幅な減少となった。
 雑貨は若干の減少となった。売り場改装の効果から売上げを伸ばしている化粧品も、伸びは鈍化してきた。美術品は大幅な増加となった。貴金属、めがねは大幅な減少となった。
 全体として、来客数は増加傾向にあるものの、購買単価が低下傾向にあり、売上増に結びついていない。依然として底打ち感は得られず、4月も、3月よりは改善するものの、前年同月を下回る状況が続くものと同社ではみている。 

スーパー
 B社
 4月の売上げは、全店ベース、既存店ベースとも、前年同月比で10%前後の減少と、予想以上に厳しい状況となった。冷え込む日が多かったことから、食品、春物衣料品の季節商品が不振であった一方で、冬物の処分セールが好調であった。また、地域振興券の効果は、子供向け商品などを中心にみられた。
 衣料品は大幅な減少となった。婦人服、紳士服、和装が大幅な減少となったのをはじめ、インナー、子供服、装飾品も減少した。婦人服は、処分セールの対象となったセーターやジャンパーは増加したものの、スーツ、ブラウス、スカートなどは大幅な減少となった。紳士服は、カラーシャツ、ジャガードタイが大幅に増加したほかは、スーツ、ジャケット、白ワイシャツなど、いずれも大幅な減少となった。子供服は、ジャンパーなど処分セールが大幅な増加となったものの、比較的比重の大きい入園、入学向けのフォーマルが大幅に減少した。
 装飾品では、地域振興券の効果で、ランドセル、スポーツシューズなど子供向け商品が増加したものの、婦人靴はヒット商品がなく大幅な減少、紳士靴、婦人バッグなども大幅な減少となった。
 食品は若干の減少となった。野菜が相場の低下で大幅に減少し、果物は味がよく、相場高であったことから大幅な増加、肉類、水産物は若干の減少となった。酒類はワインが大幅な減少となったものの、発泡酒が好調で増加した。そのほか、歌のヒットの影響で団子が倍増し、たばこ、インスタント調味料、高級卵、冷凍スナック、冷凍米飯類なども増加した。野菜相場の下落を受けて、冷凍野菜は大幅な減少となった。
 住生活では、大きなヒット作のあったCDが大幅な増加となったほか、地域振興券の効果から、TVゲームなども大幅に増加した。家電は、月半ばまでは不振であったが、後半は地域振興券の効果もあって冷蔵庫、洗濯機、ラジカセ、ポータブルCDプレーヤーなどが好調であった。園芸用品、ペット用品、インテリアは大幅な減少、家具も学習机、パイプ家具以外は不振で大幅な減少となった。
 消費に底打ち感が感じられるものの、4月も依然として厳しい状況が続き、上半期には好転することはないと同社ではみている。

家電量販店
 C社
 10年度の売上げは、既存店ベースでは前年度比減であったが、全店ベースでは前年度比増となった。品目別にみると、パソコンやオーディオが好調であり、マッサージ機器などの健康関連商品も50〜60歳台や30歳台のOLを中心に力強い動きがある。このため、最近マッサージ機器売り場を拡充した。また、パソコン等の情報家電は、今後販売に占める割合が増加していくとみており、パソコンの売上構成比がそれほど大きくはない同社では、パソコン販売を強化していきたいとしている。
 また、最近は地域振興券を利用した買い物もみられるようになったものの、購買理由は使用していた物が壊れたためといったものがほとんどであり、この機会に欲しかった物を購入するといった動きは少ない。
 販売方法については、同社では、商品の説明を丁寧に行うことによりニーズに合った商品を納得して購入してもらう対面販売を重視しており、消費者に信頼される店舗づくりを目指している。しかし、対面販売は人員効率が低下するため、全ての商品について行うには限界があると感じている。今後はドライヤー等の使い方が簡単で説明があまり必要でない商品と、冷蔵庫等の説明の必要な商品とを分けて販売することを検討している。
 今後の見通しとしては、11年3月頃から店舗のある家電専門店街の人通りが20歳台を中心に戻ってきており活気が出てきたと、同社では感じている。


このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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